火鉢が明日完成です。
塗装は拭き漆という方法でやりました。
6回か7回塗ったのですが、今回は漆を塗る前までの作業を紹介します。
和家具で漆を塗るので欅が一番良いのでしょうが、高級な材料で失敗するのがこわくて「タモにします」と先生に言いました。。
欅に目が似ている物としてはセンがよく使われます。タモや栗も漆塗りにはよく使われます。
まずは材料の隠し蟻の加工です。
機械で取れるとこは機械で取ります。
蟻の加工の前に鉋がけはしっかりやっておきます。
加工後だと蟻のサイズが変わってしまうからです。
後は手加工です。これはオスの方です。
下の留めのとこは最後にルーターで取ります。
がっちりウレタンボンドで固めます。
後でRを取るので、角は平らな部分を残して加工しました。
Rを取るとこんな感じになりました。
目地払いと仕上げ鉋もかけます。
引き出しが入る部分は組む前に糸鋸などを使ってくり抜いておきました。
切り抜いた部分は刃物の厚み分の隙間が出来てしまうので、2mmの
縁をまわします。
縁の方がちょっと出ていてかまぼこ面に削ってあります。
もちろん留めでくっつけます。
材料はウォールナットです。
台輪を組んでいます。
留めの部分にはビスケットが入れてあります。
これは焦がし縁という取り外し可能な枠です。古くから使われているのは
黒檀や黒柿などの堅い木です。今回はきれいで堅い桜の木があったので、それを使いました。
一度ウレタンボンドで固め契り用の溝を治具を使って入れます。
取り外し可能なので、ぶつけたり落としたりする可能性の高い部分です。丈夫につくらないといけません。
蓋の加工です。
留め端嵌めというのに挑戦です。
反り止めとして、両端に材料を嵌めます。
本体には厚みの中心部にほぞになる部分を残し、嵌める方には溝を入れます。ルーターを駆使しないといけません。
本体の方は表と裏両方からの加工をしないと行けないので、精度を出すのが難しい!やや失敗で先生に直してもらいました。チーン。。
そして、蓋の裏の部分に節があったので、飾りの意味も兼ねて彫って埋めます。四角でも丸でもなんでもよいのですが、和家具っぽく蝶々型にしてみました。
トリマーで彫ったところ。隅はノミで直して欅の色のきれいな物を埋めました。
次は、本体に取り付ける取っ手の加工です。
型を2種類作って、ルーターのセンターピンも2種類使って表裏に型を張り替えながら形を作っていきます。
言葉で説明するのは難しいので省略。。
材料はカバです。
あとはノミや彫刻刀で形を整えていきます。
こんな風になりました。
梅とか松とかの和のイメージで作ったんですが、何人かに「耳」と呼ばれてました。
本体にもハンドルーターで穴を開けます。丁度良い大きさになるよう刃とガイドの誤差を考え型を作って穴を開けます。
取っ手をつけたところ。
蓋ものせたところ。
蓋の取っ手もハンドルータで型を作って穴を開け、取っ手は手で削ったものをはめました。
焦がし縁の内側を隅丸にしたり、面の取り方など細かいところにも手を入れ愛着が湧きまくりの一品になりました。(難しく危ない加工が多く、けっこう先生に手伝って頂きました。。)
ほしいほしい〜。でも抽選品になってしまった。
漆塗りの様子はまた次回紹介します。
中に入れる銅の箱ももうすぐ納品されるのではないかと思います。ちゃんと入りますように。