久々に訓練のことを。
年内はちっちゃな椅子を作っていました。
椅子を自分で作るのももちろん初めて。習得したいこととして
・スタッキング
・脚の転び
・手作業での削り込み
・オイル塗装
・ペーパーコード編み
を考えて作りました。
試作は図面ひきから塗装まで2週間くらいで出来て、意外に早くできるかも〜。と思っていたら、本番は1ヶ月くらいかかりました。
試作の1脚はエアーボーリングマシーンというダボ用の穴を開ける機械を使ってダボで組み立てました。
組みたい材料と材料それぞれに穴を開けてダボという短い丸棒の様な物を入れて組みます。量産の椅子などはこれが多いと思います。
本番は2脚作りました。ほぞ組で作ったので、材料の寸法から試作とは違ったり、作業工程の難しさから時間がかかりました。1脚と2脚での時間の差はあまりないと思います。
今回のは横から見たときに転んでいる脚です。そういう脚のほぞ加工をやってみたかったからです。ちょっとでも機械の角度のセットが違うときっちりくっつきません。またまた勉強になりましたー。四方転びはもっと複雑なので、やると頭と精度が足りなそうです。
図面通りに墨付け。
この状態で2面にほぞ穴を開けるのですが、もったいない材料の取り方をしてしまいました。
穴を開けるときに治具が必要になりますが、並べて木取った方が、歩留まりがよいです。材料に悪いことをしました。反省。
脚の形(写真でいうとくの字の形)作りは穴を開け、バンドソーで大まかにくり抜いて、最後は型を材料に貼ってルーターのセンターピンを使って形を作ります。
写真で見える穴の下にあるえぐれているような部分はバンドソー→ベルトサンダー→手加工(鉋、ペーパー)です。
ルーターなどの機械が使えない(治具を作れば可能かな)ほぼ手加工の部分です。
背の部分もバンドソーで大まかにくり抜いて、型紙をスプレーのりで貼って、ベルトサンダーできれいにします。
さらに取りきれなかったとこは南京鉋や反り台鉋を使って削りあげていきます。
最終的には図面通りのRを型にとってその型にペーパーを貼り、材料に当てて削り、仕上げます。
横の貫
胴付き部分が斜めになっています。
普通は前脚と後ろ脚を繋ぐ部材ですが、今回はスタッキング仕様ということで、前脚と後ろの貫を繋ぐことになります。
この前脚と繋がる部分は上から見て2枚のほぞ
そしてこの後ろの貫と繋がる部分は横から見て2枚のほぞになっています.
なぜかというと、
このように組んだとき、
ほぞと穴で板目面同士の接着が多くなるようにです。
後ろの貫にも上から見て2枚のほぞで組んでしまうと、ほぞの板目面と穴の木口面での接着になってしまい、接着しにくく強度が弱くなるためです。
前脚と後ろ脚を繋ぐのならどちらも上から見て2枚のほぞで組む方法がよいということになります。
そしていつのまにか出来上がり。
写真をまめに撮るのを忘れてました。
手作業による削りだしの部分。
つなぎ目の目地をなめらかに繋ぎめがわからないように削っていきました。
小刀と大部分はペーパーです。ベルトンも使用しました。
これは楽しかったけど大変でした。
オイル一回目(下塗り)
こんなに色が変わります。
桜のそのままの色もピンク色で凄くきれいなので迷いましたが、オイル塗ってもきれいということで塗っちゃいました。
そのままの色で行きたい場合はワックスやラッカーのクリア(つや消し)で仕上げたりするようです。
ちっちゃい椅子ってことは背もたれ付きのスツールくらいの大きさです。
E崎さんの大きめの椅子と並べるとやっぱりちっちゃい〜。
ペーパーコードは鹿の子編みに挑戦。
後ろに見えるのは試作くんで、Yチェア編みをしてみましたが、かなり力がいるし難しかったです。人前に出せないくらい美しくない編みなので、部屋で眠っています。
鹿の子編みは時間はかかるけど割とやりやすかったです。
ってまだ1脚しか編んでないけど。。
年が明けてからは和家具と漆塗りに挑戦しようと、またまたちっちゃなものですが火鉢(手焙り火鉢)を作っています。大体は完成していてあとは取っ手などの細かい部分です。
そんなに難しくないだろうと思っていたら、結構手のかかるところや、難しい加工が盛りだくさんで、かなり愛着が湧いてきてます。自分でほしいです、ほんとに。
それはまた今度。